はしがき
序章 労働経済学と本書の構成
1.労働問題への接近
2.労働問題分析の方法
3.本書の構成
第1章 人口と労働力の供給
1-1 人口の推移と構造
1.1.1 人口の推移
1.1.2 人口転換と少子化の進行
1.1.3 高齢化の進行
1-2 労働力の構造と変動
1.2.1 労働力の概念
1.2.2 労働力率の長期的変動
1.2.3 年齢別にみた労働力率の変動
1-3 労働時間の推移
1.3.1 戦後の労働時間の推移
1.3.2 労働時間短縮への取組み
1.3.3 労働時間変動の要因分析
1-4 労働供給の決定
1.4.1 無差別曲線と制約条件
1.4.2 最適労働時間の決定
1.4.3 賃金率の変化と労働供給
1-5 労働市場への参入と妻の就業諾否
1.5.1 ダグラス=有澤の法則
1.5.2 妻の就業諾否のメカニズム
1.5.3 余暇選好者と所得選好者
1.5.4 家計の労働供給行動
第2章 労働力に対する需要
2-1 生産関数と労働の限界生産物
2.1.1 生産関数
2.1.2 等量曲線
2.1.3 労働の限界生産物と規模に関する収穫法則
2-2 個別企業における雇用量の決定
2.2.1 完全競争の仮定
2.2.2 短期の労働需要曲線
2.2.3 均衡条件と図形による説明
2-3 長期の労働需要
2.3.1 投入量の最適結合
2.3.2 賃金率の変動効果
2.3.3 短期と長期の労働需要
2-4 不況下の雇用調整
2.4.1 不況と合理化による雇用調整
2.4.2 労働投入量の変動と雇用調整の状況
2.4.3 一時帰休を含む雇用調整モデル
2.4.4 一時帰休の雇用調整効果
2-5 労働需要の構造変化
2.5.1 産業構造の変化からみた労働需要の長期的推移
2.5.2 求人・求職からみた労働力の需給変動
2.5.3 雇用形態からみた労働需要の構造変化
第3章 人的資本の理論
3-1 人的資本の概念と種類
3.1.1 人的資本の概念
3.1.2 教育・訓練機関
3.1.3 職業訓練・能力開発の変遷
3-2 教育投資の決定
3.2.1 教育の経済学略史
3.2.2 教育投資の費用と収益
3.2.3 現在価値法による教育投資の決定
3.2.4 内部収益率法による教育投資の決定
3.2.5 大学教育の収益率
3-3 学歴とシグナル
3.3.1 大学教育の機能と情報の非対称性
3.3.2 教育水準の選択
3.3.3 シグナリング均衡の性質
3-4 職場訓練の理論
3.4.1 2つの職場訓練
3.4.2 職場訓練と均衡条件
3.4.3 費用と収益の関係一般訓練の場合
3.4.4 特殊訓練の場合
3.4.5 職場訓練と労働異動
第4章 労働市場の構造と情報の不完全性
4-1 労働市場の類型
4.1.1 カーの分類賃金市場と雇用市場
4.1.2 ダンロップの分類価格づけからみた5つの市場
4.1.3 ヒックスの分類労働契約の違いによる2つの市場
4.1.4 構造的市場と非構造的市場
4-2 内部労働市場
4.2.1 内部労働市場研究の略史
4.2.2 内部労働市場の概念
4.2.3 内部労働市場の構造
4.2.4 内部労働市場の形成
4.2.5 わが国における内部労働市場研究
4-3 情報の不完全性と労働市場
4.3.1 職探しの基本モデル
4.3.2 留保賃金の決定
4.3.3 労働市場の情報ネットワーク
4.3.4 レモン市場と市場の不成立
第5章 賃金水準の決定
5-1 労働市場と賃金水準の決定
5.1.1 2つの接近方法と完全競争市場の概念
5.1.2 労働市場の需要・供給と均衡への調整過程
5.1.3 市場均衡の安定と不安定
5.1.4 社会的厚生と労働市場への適用
5.1.5 需給の調整過程と蜘蛛の巣の定理
5.1.6 レントと労働供給
5-2 賃金調整とフィリップス曲線
5.2.1 フィリップス曲線の理論(1)
5.2.2 フィリップス曲線の理論(2)
5.2.3 インフレーションとフィリップス曲線
5-3 フィリップス曲線への批判
5.3.1 フィリップス曲線への批判と自然失業率仮説(1)
5.3.2 フィリップス曲線への批判と自然失業率仮説(2)
5.3.3 合理的期待形成仮説
第6章 労働組合と団体交渉
6-1 労働組合の誕生と発展
6.1.1 労働組合の概念と組合の発生
6.1.2 戦後における労働組合運動の変遷
6.1.3 労働組合の組織状態
6-2 労働組合の機能と組織構造
6.2.1 労働組合の機能
6.2.2 労働組合の組織形態
6.2.3 企業別労働組合の特徴とその実態
6-3 団体交渉下の賃金決定(1)
6.3.1 団体交渉モデルの系譜
6.3.2 交渉モデルの展開(1)需要変動下の団体交渉
6.3.3 交渉モデルの展開(2) マクドナルド=ソロー・モデル
6.3.4 交渉モデルの展開(3) 組合独占モデル
6-4 団体交渉下の賃金決定(2)
6.4.1 交渉過程の行動科学的アプローチ
6.4.2 ヒックスの労働争議モデル
6.4.3 団体交渉と囚人のジレンマ
第7章 賃金制度・賃金構造と賃金の硬直性
7-1 賃金の多面性と賃金制度
7.1.1 賃金の多面性
7.1.2 賃金の概念と賃金体系
7.1.3 賃金形態
7.1.4 諸手当と退職金
7.1.5 賃金構成の実態と基本給の決め方
7-2 賃金の硬直性とニュー・ケインジアン
7.2.1 ニュー・ケインジアンの経済学
7.2.2 暗黙の契約理論
7.2.3 効率賃金仮説
7.2.4 インサイダー・アウトサイダー仮説
7.2.5 メニュー・コスト理論
7-3 賃金構造の種類と賃金格差の理論
7.3.1 賃金構造の概念
7.3.2 市場均衡と均等化格差
7.3.3 賃金格差の実態
7.3.4 賃金格差の要因
7.3.5 賃金格差の理論
7-4 ヘドニック賃金格差仮説
7.4.1 無差別曲線と等利潤曲線
7.4.2 労働者と企業とのマッチング
第8章 労働市場と失業
8-1 失業の類型と理論
8.1.1 失業の分類
8.1.2 摩擦的失業の理論
8.1.3 隠蔽失業の理論
8.1.4 偽装失業の理論
8-2 ケインズ体系と雇用量の決定
8.2.1 ケインズ体系と総需要曲線
8.2.2 総供給曲線
8.2.3 完全雇用への道とその障害
8-3 労働市場のストック・フロー関係とUV分析
8.3.1 労働市場のストック・フローの相互関係
8.3.2 失業・欠員曲線(UV曲線)
8.3.3 均衡失業率とUV曲線
8.3.4 失業統計と失業の推移
8.3.5 労働力のフローデータによる分析
第9章 労働移動と資源配分
9-1 労働力資源の最適配分
9.1.1 労働移動の理論展望
9.1.2 労働移動の賃金格差説とそのメカニズム
9.1.3 賃金格差説による労働移動の動学的調整
9-2 無制限労働供給と就業機会
9.2.1 無制限労働供給モデル
9.2.2 労働移動の就業機会説
9.2.3 就業機会説による労働移動の動学的調整
9-3 労働移動の総合仮説
9.3.1 2つの仮説と総合仮説
9.3.2 総合仮説による労働移動の動学的調整
9-4 人口・労働移動の実態
9.4.1 人口移動のOD表
9.4.2 人口の不均等化と地域間人口移動
9.4.3 変容した産業間移動
第10章 所得分配と所得分布の不平等度
10-1 所得の機能的分配と人的分配
10.1.1 資本主義社会の分配機構
10.1.2 巨視的分配理論の展望
10.1.3 長期均衡とパシネッティ定理
10.1.4 所得分配の総合理論
10-2 労働分配率の推移
10.2.1 雇用者所得を用いた労働分配率の計測
10.2.2 個人業主所得の帰属と労働分配率の推計
10-3 所得分布の不平等度
10.3.1 所得分布の不平等度に関する測度
10.3.2 ローレンツ曲線とジニ係数
10.3.3 所得分布を特定化した不平等の測度
10.3.4 ジニ係数の変化と所得格差の拡大・縮小
第11章 差別と労働市場
11-1 差別の種類
11.1.1 差別の概念
11.1.2 市場差別と非市場差別
11.1.3 その他の差別
11-2 差別の経済理論
11.2.1 差別嗜好の理論
11.2.2 需要独占的差別理論
11.2.3 混雑仮説(詰め込み仮説)
11.2.4 二重労働市場論
11.2.5 統計的差別理論
11-3 男女差別と男女雇用機会均等法
11.3.1 欧米諸国の男女同一賃金原則と性差別禁止法制
11.3.2 雇用機会均等法と改正後の状況
11.3.3 1999年法の主な改正点
11.3.4 2007年法の改正のポイント
11.3.5 個別紛争解決の援助
11.3.6 均等法の施行状況
第12章 労働市場と労働法制
12-1 労働基準法と労働時間
12.1.1 時間外労働の経済学
12.1.2 労働基準法の改正
12.1.3 賃金不払残業額とサービス残業時間の推計
12-2 最低賃金法と労働市場
12.2.1 最低賃金の経済学
12.2.2 最低賃金の雇用・賃金に与える影響
12.2.3 最低賃金法の成立と沿革
12-3 雇用保険法と労働市場
12.3.1 雇用保険の経済学
12.3.2 雇用保険法の概要
12.3.3 失業等給付と雇用保険制度
12-4 雇用対策法と年齢制限の禁止
12.4.1 欧米諸国における年齢差別禁止
12.4.2 日本における高年齢者雇用への取組み状況
12.4.3 年齢制限の是正と雇用対策法
12-5 労働者派遣法と派遣労働
12.5.1 労働者派遣法の成立と沿革
12.5.2 3つの雇用形態
12.5.3 規制緩和から規制強化への流れ
参考文献
人名・事項索引