アジア共通歴史学習の可能性――解釈型歴史学習の史的研究

土屋武志 著

定価(本体3000円+税)
ISBN978-4-87262-640-7

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まえがき

序章 解釈としての歴史と本論の課題

1. 解釈型歴史学習の背景
2. 学習内容としての思考力と本論の課題
3. 解釈型歴史学習における多面的・多角的思考
4. 解釈型歴史学習の基本活動
5.「マーク・ピューレンの謎」にみる解釈型歴史学習の基本

 

第1章 国民国家形成期の日本の歴史教育
――「国民」としてのナショナルアイデンティティーの形成

1.日本列島における国民国家の成立と「皇国史観」
2. 明治期歴史教科書に見る「自国」イメージ
3. 歴史教育における「自国」イメージとその成立
4. アジア・太平洋戦争と「自国」イメージの変化

 

第2章 日本における市民社会成立期の解釈型歴史学習
――1920 年代の歴史教育実践の特質

1. 大正自由教育期の歴史教育実践
2. 自学主義と説話主義
3. 1920 年代の歴史教育の解釈型歴史学習としての特色
4. 1920 年代の歴史教育の限界

 

第3章 国家主義歴史教育浸透期における解釈型歴史学習の限界
――1930 年代における歴史教育転換の論理

1. 昭和初期の歴史教育思潮の特色
2. 昭和初期の歴史教育をめぐる社会的背景
3. 国際連盟脱退と国体論的歴史教育の浸透過程
4. 国家主義国民国家における解釈型歴史学習の限界

 

第4章 戦後日本における解釈型歴史学習
――社会科としての解釈型歴史学習

1. 社会科と解釈型歴史学習
2. 戦後歴史学と歴史教育
3. 戦後日本の歴史教育における「体験的学習」
4. 解釈型歴史学習における「体験的学習」

 

第5章 変化する国民国家の中での解釈型歴史学習

1. 戦前期における多文化社会化と歴史教育実践
2. 戦前期多文化社会の特徴
3. 多文化社会と自国史
4. 多文化社会における解釈型歴史学習の社会的役割

 

第6章 歴史解釈の客観性
――歴史教育における「鎖国」論を例に

1.「鎖国」概念の形成と歴史教育
2. 日本における国民国家成立期の歴史教育における「鎖国」概念の展開
3. 戦後における「鎖国」概念の継承
4. 歴史教育における「鎖国」概念の再検討
5.「鎖国」研究の変化と社会科歴史教育内容の再構成

 

第7章 解釈型歴史学習における主観の相対化――対話の役割

1. 解釈型歴史学習における主観
2.「歴史心理」と「歴史意識」
3. 日本近代史認識における2 つの解釈
4. 戦後歴史学の転換
5. 解釈型歴史学習における「歴史心理」
6. 解釈型歴史学習における対話の重要性

 

第8章 解釈型歴史学習における歴史家体験活動

1. 現代の多文化社会における歴史教育内容
2. イギリスの歴史学習における歴史家体験活動
3. 解釈型歴史学習における「立場」の重要性

 

終 章 アジア共通歴史学習としての解釈型歴史学習の可能性

1. 競争の教育期の解釈型歴史学習
2. 歴史教育目的観の4 類型
3. 東アジア史におけるメタ・ヒストリーの相違
4. 解釈型歴史学習における「東アジア史」
5. 問題解決学習としての解釈型歴史学習
6. アジア共通歴史学習としての解釈型歴史学習の史的意義

 

あとがき

主要参考文献